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一位。加波慎、五〇〇点。 二位。宝城柚希、四九一点。 三位──永野晴樹、四七七点。 「……くそ」 いつもこうだ。学年成績の一位と二位はいつも名前が決まっている。そして三位も。俺の名前は今回も変わらず三位に記されていて、そろそろ万年三位の称号が得られそうである。 「……くそったれが」 ギリ、と歯ぎしりしながら呻く。横で自分の順位を確認していただろうクラスメイトが、ぎょっとしたようにこちらを振り向いた。しかしそんなことはどうでもいい。今現在の問題は、中間試験の結果、俺の順位が三位だったということのみ。 加波慎。生徒会役員という忙しい立場にして学年順位はいつも一位、体育の実技などもそつなくこなす完璧超人。しかも無駄にイケメンで、加波に告白して玉砕した女子は数えきれないと聞く。いつもへらへら笑っているあんな奴が学年一位だなんて許せないが、去年一年間同じクラスだったせいで身に染みて実感している。あいつには勝てない。どれだけ努力しても、生まれ持った才能には勝てないのである。卒業までに並ぶことが出来たらいいな、というぐらいである。無念。 それよりも納得がいかないのは、二位の生徒。宝城柚希。実際に会ったことはないのだが、学年唯一の不良で、必要最低限の日数しか登校しないとの噂。皆勤賞の勢いで登校し、ほぼ毎日塾に通い勉強している優等生のこの俺が、何故そんなろくに授業も受けていない不良生徒よりも試験の点数が下なのか。あり得ない。 ……しかし、しかしだ。去年一年間敗北感を味わった相手である加波と違い、宝城とやらのことは顔も知らないのである。今ならまだ、挑戦できる。加波ほどの完璧超人はそうそういないだろうし、不良生徒だというのなら、俺にだって勝つ見込みはあるはずなのだ。 「…………、よし」 ここはひとつ、宝城とやらの情報を集め、対策を練ろう─── 「あ、柚希、二位。おめでとう」 「……一位のあんたに言われても全然嬉しくないわ」 背後で交わされた会話に、固まる。去年散々聞いた、加波の声。それに応えた女子の、声は、まさか。 もう一度、目の前の貼り紙を確認する。二位、宝城柚希。……ほうじょう、ゆずき。 勢いよく、振り返る。 綺麗な長い金髪、女性らしい丸みを帯びた輪郭に、野良猫を思わせる鋭い瞳── 「……何、あんた」 万年三位、永野晴樹。美少女、宝城柚希との、それが初の邂逅であった。 --- ※お友達である高良あくあさんの誕生日に際し、あくあさん作『枯花廻りの籠の中』のスピンオフもどきとして書いたものです。原作面白いので是非。
by fubuki-a
| 2013-05-21 23:59
| 気まぐれ
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